「最近よく聞くWeb3(ウェブスリー)って、分かりやすく言うとどういうこと?」「Web3.0(ウェブさんてんゼロ)って何がすごいの?」「インターネットはどう変わるの?」と疑問に思っている方へ。シンプルな図を使い、簡単な言葉で解説します。
Web3(ウェブスリー)とは
Web3は、一言で言うと「大企業に支配されないインターネット」の時代。言い換えれば、「ユーザーのための、ユーザーによるインターネット」の時代です。あるいは…
“Less trust, more truth.”
https://www.wired.com/story/web3-gavin-wood-interview/
「信頼を減らし 真実を増やす」もの。よく分かりませんよね。では、まずは現在の「Web2.0」と、その前の「Web1.0」を簡単に理解しておきましょう。(Web3.0とWeb3は同じ意味です)

インターネットが一般に使われるようになったのは、90年代〜2000年代の前半です。当時は、テキストを読んだり、メールをやり取りしたりする「一方通行のインターネット」時代。Webサイトは「ホームページ」と呼ばれていて、情報発信するのもごく一部の人たちだけ。インターネットの接続速度も遅かったため、画像を表示するときには別の作業をして時間を潰すほどでした。電話回線を使ってインターネットにつなぐ「ピーヒョロヒョロ〜」という音が懐かしい方もいらっしゃるのではないでしょうか。これがWeb1.0の時代です。
その後、インターネットは「常につながっている状態」になり、その速度も高速化。これにより、高画質な写真や動画も楽しめるようになりました。そして2007年1月には初代iPhoneが発表され、スマートフォンが爆発的に普及。よりインターネットが身近になり、ブログやFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどを通じて誰もが情報発信できるようになりました。これが現在のWeb2.0時代です。
Web2.0の問題点

インターネットが生活に欠かせないものになった「Web2.0」時代には、大きな課題があります。それは、Google(Alphabet)、Apple、Facebook(Meta)、Amazonなどに世界中の個人情報が集中することで起こる、プライバシーの問題。そして、個人情報が特定企業のサーバーで集中管理されることにより、サイバー攻撃を受けやすいというセキュリティの問題です。
この課題を解決するのが、「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンは、簡単に言うと「データを書き換えることを非常に困難にした」技術。世界中のコンピューターが分散してデータを管理しているので、不正ができず、突然システムがダウンすることもありません。ビットコインなどのクリプト(仮想通貨)も、2021年に話題となったNFTも、このブロックチェーン技術がベースになっています。
※ブロックチェーンについてはこちらで詳しく解説しています。
【復習にも】ブロックチェーンとは?ハッシュ値とは?わかりやすく図解します。
Web3.0が分かりやすい身近な例

Web2.0の時代では、インターネット上で買い物をしたり、送金したりするときには「銀行」や「クレジットカード会社」「決済代行会社」を経由する必要がありました。そして、国際送金には高額な手数料と時間がかかることが多く、受け取ったお金を自分の国で使うには、銀行から引き出す必要がありました。
これが、Web3.0の時代には、誰もが「世界共通のお金」を瞬時に送り合うことができるようになります(Peer to Peer/P2P/ピア・ツー・ピア)。すでに仮想通貨の取引・送金をしたことがある方、MetaMask(メタマスク)などを使っている方には身近と言える世界です。
Web3.0時代のインターネット

これまで、Facebook、Twitter、InstagramなどのWebサービスを使うには、ID・パスワードの登録やログインが必要でした。それぞれのサービスごとにID・パスワードを管理するのは、結構面倒ですよね。そして、各サービスに個人情報を登録して、行動履歴や購買履歴がデータとして残っていくことで、ユーザーの情報は「お金」に換えられていきます。個人情報があれば、広告で儲けることができるからですね。そのため、サービスを提供する事業者(プラットフォーマー)は、より多くのユーザーを囲い込んでいくことに全力を注ぎます。
また、こうした多くのユーザーが集まるプラットフォーム上でサービスを提供するには「手数料」が必要で、この負担が重すぎることも問題になっています(たとえばAppleのアプリ内課金では、最大30%の手数料が徴収されています)。
これに対して、Web3.0時代に普及するのは、ブロックチェーンの技術を使った「分散型アプリケーション(DApps)」です。これは、先に出てきたMetaMask(メタマスク)のようなウォレットを接続するだけで、簡単にサービスを利用できるもの。ウォレットの管理は自己責任であり、サービスと接続する際に注意は必要ですが、これに慣れると「ID・パスワード」でログインするサービスは「面倒だな」と感じるようになるはずです。
「信頼」が必要ない時代へ

Web3.0の大きな特徴は、「 Trustless /トラストレス=信用が不要」ということ。プログラムで動くブロックチェーン技術がベースになっているため、都合の悪いデータを後から消すことも、書き換えることもできないからです。そして、「Verifiablity =検証可能性」があり、インターネット上で誰もがデータを検証できることも特徴です。
※ウォレットの履歴も、アドレスが分かれば誰でも見られるようになっています。
参考記事:【NFT取引の経費を確認】Etherscan(イーサスキャン)の使い方
トラストレスについては、こちらのブログが非常に分かりやすいです。
ブロックチェーンの「トラストレス」とは?/Komugi.jp
これから世界中で始まる「Web3.0」の時代。どんなサービスが登場し、どんな組織が成功していくのか、とても興味深いですね。
【Web3図解】Web1.0〜Web3.0の違いをシンプルな図にまとめました。
— Crypto Box|cryptobox-jp.eth (@cryptobox_jp) December 14, 2021
✅1枚目:Web1.0とWeb2.0の違い
✅2〜4枚目:Web2.0とWeb3.0の違い
✅5枚目:「信頼」するものの違い pic.twitter.com/NOeRH6azdJ
Web 3.0 Explained in simple words.
— Crypto Box|cryptobox-jp.eth (@cryptobox_jp) December 14, 2021
✅1. Differences between Web 1.0 and Web 2.0
✅2, 3, 4. Differences between Web 2.0 and Web 3.0
✅5. About trust pic.twitter.com/1OgUBa2s6s
Web3について、英語版の記事も公開しています。