イラスト・デジタルアートなどの作品を作っているクリエイターさんに向けて、NFT(エヌエフティー)販売をはじめるための流れを簡単にご紹介します。
NFTを売るには暗号通貨(仮想通貨)がいるって聞いたんだけど、ホント?
うん、世界中の人が同じ通貨で売買するからね。販売するクリエイターも少し手数料がかかるから、ETH(イーサ)を少し買っておく必要があるんだ。まず出品するだけなら、2〜3万円分あれば大丈夫。
仮想通貨を買ったことないんだけど、どこで買えばいいかな?
仮想通貨取引所だね。初めてだったら、bitbankとか、bitFlyerが使いやすいよ。仮想通貨取引所でETH(イーサ)を手に入れたら、「metamask(メタマスク)」っていうお財布を作ってそこに移して…
お財布?
うん、デジタル(クリプト)ウォレット。クレジットカードや日本円は使えないから、ここに仮想通貨を入れておく必要があるんだ。
なるほど。
メタマスクはブラウザ版とスマートフォンのアプリ版があるんだけど、自分専用のパソコンでブラウザ版を使うのがおすすめ。このウォレットでNFTの取引ができちゃうから、アプリ版だとスマートフォンをなくしたときのリスクが大きいよね。
確かに。危ないね。
暗号資産(仮想通貨)を入れておくお財布だから、取り扱いには注意が必要だよ。詳しくは「【クリエイター向け】NFTで泣かないために。」を見てみてね。
なるほど。このウォレットにお金を移したあとは…?
NFTを売買できる場所はいくつもあるんだけど、世界で一番大きいのは「OpenSea(オープンシー)」っていうマーケットプレイス。ユーザーも、取引額も多いから、ここで販売してみるのがいいと思うよ。

分かった!
Openseaにメタマスクを連携したら、すぐに販売をはじめられるよ。「コレクション」っていうページを作るんだけど、これが自分のお店を開くイメージ。ここにいきなり出品してもいいんだけど、個人的には一つか二つ、他のクリエイターのNFTを買ってみるのがオススメ。よく売れてるコレクションや、値上がりしているコレクションを見てみると、「売れるNFT」の傾向が見えてくるよ。
買い手の目線を知るってことだね。
そう。買い手の目線で見れば、どんなコレクションなら買いたくなるのか、どんなNFTなら価値が出そうか、よく分かるようになるよ。
なるほど。まずはリサーチしてからだね。出品するときは、どんなことに気をつけたらいいのかな。
ファンがつくまでは、最初から何十点も出品しない方がいいと思う。出品した日も見られるから、「ずっと売れ残ってる」ように見えるともったいないよね。
確かに。人気がないお店(コレクション)に見えちゃうと、人はこないよね…!
そう。買い手(コレクター・投資家)は、転売できるかも見ているからね。「転売したくても買い手が見つからなさそう」と判断されると、売れにくいよ。
うーん。最初の1点が売れるまでが大変だね。他に何かコツとかあるかな?
今はSNSのアイコンに使いやすいNFTが人気だから、最初から正方形でデータを作っておくといいかな。売り方が上手なクリエイターさんは、twitterのバナー用に横長のデータを出品したり、季節限定のNFTを出してたりもしてるよ。
なるほどー!集めたくなっちゃうもんね。ちなみに、価格はどれくらいに設定したらいいのかな。
最初は、0.01〜0.05ETHくらいだと売れやすいんじゃないかな。今(2021年10月上旬)なら日本円で4000円〜2万円くらい。もちろん、もっと安くても出品はできるんだけど、イーサリアムのガス代(手数料)が高いからね…ETH(イーサ)で買うコレクターから見ると大きな差にならない気がする。「価値があるか」を見られているから、「安ければ売れる」ということはないと思うよ。
そうなんだね。
でも、フォロワーやファンが多いクリエイターでない限り、どうしても1点目のNFTは売れにくいから、最初は買ってもらいやすい価格設定も大切。もっと手数料が安い出品方法もあるから、それはまた別の機会に説明するね。
なるほど。ただ作品を作って並べるだけじゃ売れないんだね。
うん。ちなみに、フォロワーが多いクリエイター、NFTが売れてファンが増えてきたクリエイターは、0.5〜1ETH(イーサ)でもすぐに売り切れてるよ。売れるコレクションは数秒で売り切れるのに、売れないコレクションは何週間経っても売れない。だから、NFTを本気でやっていくなら、売れているクリエイターを見て、いろいろ工夫しないとね。
1ETHってことは40万円くらい…ってことか。すごいね。
うん、でも1ETHはまだまだ安い方。10ETH(約400万円)っていう値段で売れたり、最初の値段の10倍、100倍で転売されたりする人気コレクションもあるからね。この前も話した通り、トップクラスのコレクションなら数千万円で売買されているのが当たり前だし…
そうだね…夢があるよね。
すごいチャンスだよね。でもOpenseaのランキングを見ると「えっ、なんでこれが売れてるの?」って思うんじゃないかな。それでも、買う人が価値を感じていたら、価格はどんどん高くなるし、価格が上がれば上がるほど、話題になって人気も上がっていくんだよね。
なるほど。
言い換えれば、上手な絵を描ける人、魅力的な作品を作れる人が必ずしもうまくいくとは限らない。クリエイターとしての腕はもちろん必要だけど、コレクションのコンセプトや世界観、クリエイターの熱意や人柄、SNSの影響力とマーケティング力も大切なんだよね。これについては、いろいろNFTを買ってみて気づいたことがあるから、またの機会に紹介するね。
まとめると…